ジョギングで筋肉痛になった話

ジョギングで筋肉痛になった話

ある日,目を覚まそうとすると異常な倦怠感と疲労感に感じて,身体がコントロール不能な状況に陥っていることに気がついた。

起床はロボットとプログラミングによって自動化されているので意思に関わらず起床は自動的に実行されるはずだった。

起床のために様々な装置を開発してきたが,その中には朝になると高輝度の光を顔面に照射する装置がある。この装置には毎朝7時から10時に1000ルーメンを超えるビームライトを顔面に照射されるようプログラムしてある。

このシステムは睡眠状態の人間に高輝度の光を照射すると脳は朝だと錯覚させてメラトニンの合成を強制的にコントロールして覚醒を促す。ただし,眩しさのあまりパニック状態に陥ってしまったり,過剰な光が目にダメージを与え,吐き気や目眩を感じさせてしまう欠点もある。

今日は,起きようとするとセットしたはずのビームライトが消えていることに気がついた。プログラムのエラーか,寝過ごしてしまったのだろうかと考えていると,ふと強烈な倦怠感と疲労感といった違和感を覚えた。この違和感の原因はなんだろう。確か,昨日はバイト探し,ジョギング,風呂に入って,あと寝る前にチョコを食いながらコーラを飲んで歯磨きせずに24時ごろ寝たはずだ。

布団の中で昨日はなにもないが健康的な一日だったなと思いながら身体を起き上がらせようとしたその時だった。

痛えぇ!?

起き上がろうとすると全身に痛みが走り激しく動揺した。なんか全身が痛い,なんなら内臓も痛い。なんか全身が痛いんだけど。時計を確認してみると12時になっていることに気がついて寝坊したことに気がついた。は,嘘だろ,寝すぎちゃったよ。それでも身体が痛くてしばらく動けなかった。

この俺が・・・寝坊するだと!?

相変わらず痛みは引かないが意を決して布団から出ることにしたのだが,引き続き寝坊してしまったことに激しく動揺していた。とにかく落ち着かねばならないと,そう小声で唱えながら冷蔵庫を開けてコカ・コーラを取り出た。

寝起きにコーラがぶ飲み,コカ・コーラがぶ飲み。体内にシュワ~っとした炭酸と糖分を流し込むと糖を求めていた脳が喜んでいるように感じられた。コーラによって精神が落ち着いたと同時に今感じている倦怠感と疲労感,全身の痛みはなんだと自問自答しようとするがコーラのがぶ飲みで腹が冷えてしまい,腹の痛みで思考は中断された。

腹が痛みに耐えながら布団の中で休んでいると,痛みが和らぎ,冷静さを取り戻すことが出来てきた。そして,全身に感じている倦怠感と痛みの原因を特定することができた。

そうだ。ここ数年,自宅に引きこもりがちな生活が続いていて,最近ようやく散歩を始めるようになったけど運動不足はまったく解消されていなかったんだろう。だから昨日ジョギングしただけで筋肉痛になってしまったんだと理解した。

ジョギング程度で筋肉痛になって寝込んでしまうことになるなんて,と無駄に笑みがこぼれてしまった。ジョギング程度で筋肉痛になるとは我ながら大したもんだと思いながら昼飯代わりにプロテイン入りのヨーグルトを食べた。

朝起きるためにも運動が必要なのだろうか。

ジョギングでも身体が悲鳴を上げるのでジョギングが十分効果的だとよくわかった。

自分にとって運動はこの程度で十分なんだ。

嘘みたいだが本当なんだ。


【あとがき】
本記事はリライト企画に参加して作成した5つ目の記事です。
リライト元が日記っぽかったので,今回はリライトという体で自分の日記を書いてみることにした。

【原案】
『第2のRira』②「嘘みたいな本当の話」
www.desunenote.com