大人のADHDの認知行動療法<本人のためのワークブック> 本の感想

大人のADHDの認知行動療法<本人のためのワークブック> 本の感想

大人のADHDの認知行動療法<本人のためのワークブック>

本の感想を記します。

この本の著者はスティーブン・A・サフレン(リンク先はマイアミ大学)

マイアミ大学のサフレン博士のページに出版情報が記載されています。

原著は「Mastery of your adult ADHD. Client Workbook. Oxford University Press, 2005.」。

「大人のADHDの認知行動療法<本人のためのワークブック>」初版は2011年。和訳された本です。現在2020年なので古い本かもしれない。

Amazon内でこの本がよくHITすることがあった。5年以上前から知っていたけどワークブックなんて面倒だと思って買わなかった。数年経った現在、自分の集中力や衝動性をコントロールする方法を探すようになってきた。認知行動療法やマインドフルネス瞑想をやってみたくなり、ADHD関連の本をドカっと衝動買い。今回は、買った本の中で最も薄かったという理由で「大人のADHDの認知行動療法<本人のためのワークブック>」を手に取った。

ADHDの当事者としてワークの内容に興味があったから読もうと思いました。本は130ページ程度で3時間で読み終えることができた。本著の治療プログラムはADHDの薬物治療が安定した後に行うことを推奨していた。本の中身はワークの説明とワークシート(課題・宿題)、具体的な方法が記述されているだけ。イラストもないので読んでて楽しくはなかった。

この本の特徴はシンプルで合理的だということ。ワークのことしか書かれていない。読み物ではない。無理に読んでも「読んでないでワークやれよ」って言われているような気分にさせられる。治療プログラム全12回分のワークとホームワークがみっちりと書かれている。課題内容はタイマーを使った時間の計測や自分の考えを紙に書いて整理する等の課題が多い。ワークの頻度は週1回が理想的とのことなので、本の指示通りにワークに取り組めれば3ヶ月後には治療プログラムは完了となる。

この本はワークだらけなんだけど、スティーブン・A・サフレン博士の考えも一応書かれています。冒頭からADHDのことをシンプルかつ合理的に述べている。それが、シンプルすぎるというか、合理的というか、とにかく短い。その短さに私は笑ってしまった。私はこの考え方は好きだ。その2行を紹介しつつ本の内容をまとめます。

ADHDは知能や怠惰とは関係ありません。
ADHDは困難なことをやり遂げるための対処スキルを学ぶことに問題を抱えています。
(本著のp11より引用)

対処スキルとは(目次の名)

  1. 順序立てと計画性
  2. 注意散漫さを減らす
  3. 適応的な考え方
  4. 追加のスキル(先延ばし行動・問題を繰り返さないために)

この本には、対処スキルを学び、継続してスキルを練習することで改善がみられると書かれていた。


引用文献
大人のADHDの認知行動療法<本人のためのワークブック>  2011 S・A・サフレン (著), 坂野雄二 (監修, 翻訳) p11

大人のADHDの認知行動療法<本人のためのワークブック>

大人のADHDの認知行動療法<本人のためのワークブック>