熊を彫る
熊の木彫りを作る。そのために熊の資料を集める。資料を見てデッサンを描いていると気づいたことがあった。それは熊のポージングは見当もつかないということ。
熊についてわかることといえば、一生クマを飼う余裕がないくらい遠い存在であること。かといって、くまのプーさんのヌイグルミを買おうとも思っていない。クマは身近な生き物に思えなかった。私にとって熊は幻獣みたいな扱い。そうか、熊をじっくり観察したことなんてなかった。熊の手の形なんて全くにわからないままだ。
それでも、熊を彫るならば、熊という生き物についてもっと知らなければならない。そうしないと、どのパーツ、どの振る舞いにクマらしがあるのかわからない。そう思うと悩んでしまうのだった。しかしながら、それがわからないと困る。具体的にはどのパーツを誇張して作ればいいのかわからないから困る。いや、いい。クマらしさについて研究するのをやめた。代わりにクマがボーリングしてる姿を彫りたくなった。