カブトムシのようにじっとしてたい

夏の終わりを嘆くバッタのようにバッタバッタと書類が届くようになった。

「一ヶ月以内に四天王を二回倒すこと」「ラスボス対策講座のご案内」「そろそろいろいろ準備しておいてください」みたいな紙が届く。

いままではマイペースに四天王をじっくり攻略してきた。だが一ヶ月で四天王を二回倒したことなんてない。

それだけではない。今回の四天王、どれも手強そうではないか。かといって、セミのようにどうしようと叫んだりはしなかった。

オニヤンマのようにフワフワと漂っているように見せかけながら四天王を2体倒した。

玉座にはあと6体の四天王が控えている。

カブトムシのようにじっとしていたい。

蟻の巣のような部屋を目指して部屋の片付けに明け暮れる。余計に部屋が荒れる。

ニワトリのごとく朝起きれるようになった。外で一日を過ごしてみた。子犬のような体力しかなかった。

よく活動した日こそ子犬よりも早く寝ているはずなのに、翌朝、疲労感を引きずる。アスファルトの上で干からびたカエルのような気分で目が覚める。

これからは夜に鳴くスズムシもいなくなるような季節になる。

ユニクロで靴下を買う。

秋もカブトムシのようにじっとしてたい。