※本コンテンツは18歳以下の方の閲覧に適していません。
ト書きとセリフ
○教室(夕)
面談中、学生は理想の書き方を先生に語る。
学生「脚本が書きたい、んです…」
先生「(笑顔で)ありのままの君で言ってごらんよ」
学生「(歌う)脚本で伝えたい ららら。劇場化を期待する欲深い ららら」
先生「(歌う)横書きの ららら。演じたくなるのは縦書きの ららら」
学生「(観客に向けて)劇場化の夢がしぼんでいくよ ららら」
脚本調
「Trample on "Schatten!!"~かげふみのうた~」とは、変身ヒーローの文化と分析心理学を合わせたような内容の成人向けアドベンチャーゲームである。影の怪物"シャッテン"と対峙できるのは影を纏った人間(影装した人間)。己の影(誰かの影)と向き合うほど人間は強くなり(個性化の過程)、個性化した人間は超越的になり、戦闘力までも向上する。など、独特の設定が面白い。オープニングシーンが脚本のよう。以下の内容は、冒頭のテキストと5分後のテキストのト書き(台詞以外の文章)を抜粋し、引用したものです。
夜。三糸市某所屋上。
走る少女。
纏うのは大振りなドレス。
スカートの一端を摘み上げて。少女、飛ぶ。
着地のために空中で回転、 その速度を殺し、着地。再度、疾走。
~中略~
……腰にくくりつけていたそのキーホルダーが全ての始まりを告げた。
その表情が一転する。
諦めに満ちていた表情が、如何なる存在も真似できぬほどの自身に満ち満ちた表情に変わったのだ。少女がその身をかがめる……!
その真上を通過していく影の槌……そして……!!折り曲げた膝をしなやかなるバネにして月面宙返り――少女はビルの屋上から身を躍らせた。
吹き上げる風に逆らって、落下していくプリンセスドレスの少女――。
少女は落下しながら一筋、嬉しさの涙を零す。
真下へと……
最高の笑顔を向けたまま落ちていく少女。
全てを……そう、全てを信じて、
彼女は落ちていく……